13年の空白を埋める伝統の味噌ラーメン。

糸末

TEXT/YUSUKE TOKOSHIMA, PHOTO/NAOKO TAKAHASHI

昨年の夏、札幌ラーメンのオールドファンの間では「あの糸末が復活する」と話題になりました。約50年前に開業した初代「糸末」は、「味の三平」などと共に“札幌味噌ラーメンの礎”を築き、地元の人たちにも愛されたお店です。1999年に創業者が亡くなり、惜しまれつつ閉店。復活を願う声が高まる中、創業者の妹であるおかみの協力を仰ぎ、2013年の8月に現店主の森さんが2代目「糸末」の暖簾を掲げました。

「糸末の味だ」「昔よりうまい」「全然違う」と、店主の森さんよりも糸末を知る諸先輩方の意見はさまざまですが、開店から半年以上が経ち「お店のニオイが糸末になってきた」と言われ、「少しは先代に近づけたのかな」と実感したそうです。札幌味噌ラーメンの元祖とも言うべき「味噌ラーメン」は700円。当時のおかみ直伝のブレンド味噌は、教えをしっかりと守り、丁寧に手で練り上げます。スープは豚骨と鶏ガラ、鰹や昆布などをブレンド。こくがあってあっさり。札幌味噌ラーメンの歴史を感じることのできる一杯です。