一杯、一皿に込める、こだわりとやさしさ。
Coffee & Lunch SOIREE TEXT/YUSUKE TOKOSHIMA, PHOTO/NAOKO TAKAHASHIブルーとピンクのネオン管が静かにきらめく店構え。地下鉄東西線北24条駅から徒歩3分、住宅地の一画にあるCoffee & Lunch SOIREE(ソワレ)。やさしい笑顔が印象的なマスターの鰐渕さんが、奥さまとそのお姉さまと3人で営む家庭的な雰囲気のお店です。開業から34年を迎えるという店内は、年月ほどの古さを感じさせず、明るくて清潔感にあふれています。
「この辺の人通りもすっかり減ってしまって」と寂しそうに話す鰐渕さん。開業当時、お店の周辺には市場や商店が軒を連ね、人の流れが途絶えなかったそうです。常連を多く抱えていた区役所も昼休み時間が短縮され、客離れに拍車をかけてしまいました。それでも、開業当時から続けているこだわりは譲れないと言います。既製品や冷凍加工品などをなるべく使わないこと。ドレッシングや各ソースなども手づくり。新鮮で良いものを仕入れるために、すべての食材を自ら買い付けに行きます。料理の味とこだわりはお店の自慢でもあるのです。
オーソドックスなブレンドコーヒーは6種類をブレンド。植物性油を使った既製品のコーヒーフレッシュを出すお店が多い中で、牛乳と生クリームを使った手づくりを。ナポリタンに厚焼きのトースト、サラダがついたセットはコーヒー付き。野菜たっぷりのホットサンドはサラダ・コーヒー付き、懐かしくてあたたかい味わいです。毎日食べても飽きないようにと、奥さまがレシピを考案している日替わり定食もあります。おいしい料理とくつろぎの空間を提供したいという愛情がいたるところにあふれています。「ただいま」と言いながらドアを開けたくなる。そんなお店でした。