動物たちの秋支度。

札幌市円山動物園(秋)

TEXT/REINA ABE, PHOTO/NAOKO TAKAHASHI

日ごとに紅葉がすすむ山々。そんな円山を背景に、秋の動物園もなんだかにぎわいを見せています。気温もぐんと下がり、日も短くなったことで、暑さが苦手な動物たちや半夜行性・夜行性の動物たちがのびのびと動き回っているからでしょうか。そしていよいよ、かわいらしい動物の赤ちゃんの公開もはじまっています。

「こども動物園」では、園内で動物たちと直接ふれあうことができる唯一のスポットということもあって、年中子どもたちの歓声が響きます。そーっとヒツジやモルモットをなでれば、この季節だからこそ、その温もりをより強く実感できるのではないでしょうか。「わくわくアジアゾーン」では、アムールトラが仲睦まじげにじゃれ合っています。寝そべったりあくびをしたり、自由気ままな姿は、頑丈なガラスごしに見ればまさに大きなネコ。赤ちゃんの頃には小さくてふわふわだったユキヒョウも、いつの間にかたくましくなっています。「世界の熊館」では、ホッキョクグマが悠々と活動中。メスのララとキャンディがもうすぐ出産準備に入るそうで、うれしいニュースが届くことを願っています。

さらにこの秋注目すべきは、人気者の赤ちゃんの公開ラッシュ。今年7月に誕生したレッサーパンダとコツメカワウソの赤ちゃんたちが、ついに私たちの前に姿を現しました。まだ外の環境に慣れていないため、時間・曜日限定で、体調や天候によって公開をお休みすることもあるようですが、その愛らしい姿は必見。お母さんのそばでころころと走り回る姿はかわいらしさ満点です。

広い園内は坂も多く、夢中になってあちこち見て回るだけでも、日頃の運動不足が一気に解消されるようです。子どもたちにはさらに、思いっきり体を動かせる遊具広場「まるっぱ」が待っています。ここには、ジャングルコンビネーションやユキヒョウの昼寝、プレーリードッグの巣穴など、動物たちの気持ちや視点を味わえる遊具が勢ぞろい。さまざまな動物の大きさや習性を楽しく遊びながら体感できるのは動物園の遊具広場ならではです。

動物たちから視線をふとずらせば、施設を緑化するツタ類も、動物園の森も、赤や黄に色づいています。何度来ても、やはりここは生物や自然の営みに気づかされる場所。動物たちに会いに、気軽な紅葉狩りも兼ねて、天気のよい日をねらって訪れてみてはいかがでしょうか。



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札幌市円山動物園

札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
TEL.011-621-1426
開園時間/夏期(2月1日~10月31日)9:00~17:00
冬期(11月1日~1月31日)9:00~16:00
入園料/大人(高校生以上)600円
    小人(中学生以下)無料
    年間パスポート 1,000円
休園日/12月29、30、31日 www.city.sapporo.jp/zoo/