ワンコインなのに絶品。昼限定のラーメン店。

木曜日

TEXT/KAGEHIRO WATANABE, PHOTO/SHUN TAKEBE

西線9条旭山公園通駅から徒歩5分。住宅街の一角にひっそりと佇むラーメン店。店内にはゆるやかなレゲエが流れ、ほのかに煮干しの香りが漂う。木曜日はそんな気取らないラーメン店です。この風変わりな店名の由来は、「カレー魂 デストロイヤー」で働いていたとき、定休日の木曜日に店を借りてラーメンを出していたところから。ミッフィーの絵本でおなじみのブルーナレッド一色の壁も、デストロイヤーから受け継いだものです。

行きつけだった「麵屋 三四郎」が埼玉へ移転することになり、居抜きで引き取って独立したのが現店舗。今は定休日の日曜日以外は毎日営業しています。特に人気なのは、カタクチイワシと白口煮干しをつかった煮干し正油、500円。以前は、マイワシでつくる平子煮干しをつかっていましたが、今は瀬戸内海産の白口煮干しを採用。ロットごとに味がかわってしまう煮干しのスープなのに、いつも美味しいラーメンが食べられるのは、ご主人の日々の試行錯誤があってのことなのでしょう。

麵はこだわりの自家製麺。こね終わったときの温度や、3回の圧延の工程でそれぞれ太さをどうするかなど、微妙な調整の組み合わせが、麵のこしの強さや食感を左右します。「おもしろいですよ、麺」とご主人。麵についても、さらに美味しくするための研究に余念がありません。チャーシューは、オーブンに入れて低温で2時間強焼いてから、たれにつけたもの。スープとよく合う、絶妙な仕上がりになっています。

営業時間は、「スープがなくなることもあるので…」とのことで午後4時半まで。気軽に、でも美味しく食べられる500円のラーメン、木曜日以外もお昼にぜひどうぞ。