札幌から約9,000km。ベルギーへ。

フランダースの犬

TEXT/YUSUKE TOKOSHIMA, PHOTO/NAOKO TAKAHASHI

ヨーロッパの国ベルギーは、グルメ、自然、古城などさまざまな魅力があふれ、首都ブリュッセルはEUの本部が置かれる国際的な都市です。そんなベルギーの料理や文化を楽しめるレストラン・バーが、南1条の電車通り沿いにあります。店名は、共同オーナーのペックスタット・イブさんとデコーニンク・ウォールターさんが生まれ育ったベルギー・アントワープを舞台にした名作文学にちなんだもの。旅行で北海道を訪れた2人が札幌の景観や気候に惚れ込み、故郷・ベルギーの郷土料理を楽しめるお店を開きました。

店内に入れば、飴色になった木製のテーブルや椅子が並びます。おとぎ話に登場するような重厚で趣のあるインテリアに、200年以上も前に作られたアンティーク家具。これらはベルギーの貴族などに愛用されたもので、ベルギーから船便で運び込んだそうです。料理が盛りつけられたお皿もベルギー製のアンティークもの。まるで、ベルギーの家庭へ食事に招かれたようです。人気のメニューはチコリグラタン900円。ベルギーを代表する家庭料理の一つで、独特の苦みをもつチコリと、まろやかなホワイトソース、チーズの味わいがクセになります。ブラウンビールで煮込んだベルギーシチュー チコリストゥンプ添えは1,000円、添えられたマッシュポテトと共にいただきます。ベルギー製のオーブンで焼き上げるワッフルは、甘さ控えめでほのかにバニラが香ります。生クリームとの相性が良いリンゴの赤ワインづけをトッピングして650円です。

札幌ではなかなか口にすることのできないベルギービールの品揃えも、生ビール、瓶ビールを合わせて30種類以上。フルーツフレーバーがベルギービールの特徴で、ビール特有の苦みが少ないため女性のファンも多いそうです。アルコール度数は日本のビールと比べて高め。いつもよりゆっくりと味わうのがおすすめです。次の休日は、市電に乗ってベルギーを訪れてみませんか?