ブームを超えた新たな定番。

本当は教えたくない
札幌のスープカレー店 3選

TEXT , MOVIE/KOJI AZUMA

札幌はスープカレー発祥の地。2000年代にブームを迎えたときには、市内に200店以上がひしめきあい、その中から新たな味が生まれました。いわゆる「ルーカレー」とは違う、素材やスパイスや調理法への独自のこだわり。同じスープカレーといっても、味わいは店それぞれです。今回は、強い個性が光る、札幌の3つの名店をご紹介いたします。

出汁をきかせた唯一無二の味。
SOUP CURRY KING セントラル

「どこかの店に似ていると言われたら、それはその店に勝てないということ」。KINGのスープカレーは、そのような信念のもとで生み出された、他のどの店とも違うオリジナルの逸品。豚骨に鶏ガラ、魚介をブレンドしたスープには、スパイスの刺激・コク・旨味が絶妙なバランスで溶け合っています。おすすめは豪快で繊細な「ラムカレー」。豚の角煮のようなゴロッとしたラム肉は、中までとろりとやわらかく煮込まれ、スープ、ライスとの相性がばつぐん。“王様”のような気分にひたれる贅沢な味わいをぜひ一度ご賞味あれ。

SOUP CURRY KING セントラル

札幌市中央区南2条西3丁目13-4 カタオカビル B1
TEL.011-213-1230
営業時間/
  平日11:30~15:30(LO15:00)
    17:30~22:00(LO21:30)
 土日祝11:30~22:00(LO21:30)
定休日/日曜営業
www.soupcurry-king.shop


道産牛乳の濃厚なスープ。
Chaos Heaven(カオスヘヴン)

コクがあってスパイシーで、それでいてすっきりと。そんな味わいを堪能できるのが、牛乳とクリームチーズを使ったカオスヘブンの「ミルクスタイル」です。店長の中村さんが「農家さんと力を合わせて、北海道の食材でもっと美味しいスープカレーを作っていきたい」と語っているとおり、スープの牛乳はすべて北海道産。お米や雑穀も、知り合いの農家さんから直接仕入れた道産100%。ライスに具材にスープにと、北海道がぎっしりつまった、札幌のスープカレーを語る上で欠かせない一皿です。


ひと言では語りきれない奥深い味。
スープカリィ ベンベラネットワークカンパニー

このお店のスープカレーは、店長さん自身「ひと言で何の味とは言えない」と語るほどの複雑な風味が魅力。ライムリーフなどの東南アジア圏の香辛料を贅沢に使い、和の出汁を合わせたスープ「エピローグ」の豊かな香りと味わいは、どの国の料理かさえも分からなくなるほどです。このお店で、もうひとつ忘れてはならないのが「辛さ」。一番辛さをおさえた「辛さ0番」でも辛い。「3番」になるとかなり辛い。でもやめられない…。やみつきになる旨味と香り、そして辛さを、ぜひ一度体験してみてください。